戦艦大和

訓練休憩中、「桜、桜」ト叫ブ声 見レバ三番見張員ナリ
見張用ノ定置双眼鏡ヲ陸岸ニ向ケ、目ヲ当テシママ手ヲ上ゲタリ
早咲キノ花ナラン
先ヲ争ッテ双眼鏡ニ取附キ、コマヤカナル花弁ノ、
ヒト片ヒト片ヲ眼底ニ灼キツケントス
霞ム「グラス」ノ視野一杯ニ絶エ間ナク揺レ、
ワレヲ誘ウ如キ花影ノ耀キ
桜、内地ノ桜ヨ、サヨウナラ

吉田満 『戦艦大和ノ最期』 より

封筒にボールペンで粗描。ただし、これを描いたときのイメージとしては、対空戦闘能力増強改装後の公式試運転の姿、といったところでした。