匈奴の少年

A Xiong-nu slave boy bearing torches, early Western Han Dynasty

 

 前漢の王墓より出土した青銅製の燭台からイメージを膨らませて描きました。
 この匈奴族の少年は、戦争捕虜か辺境の牧民で、奴隷として売られ、貴族の館で仕えています。松明を掲げて、主人の夜の園遊に侍しているのでしょう。
 かれは遊牧民らしく、羊毛製の短衣にズボン、フェルトの長靴を着けています。上着は、襟の部分がさらに北方のトナカイ遊牧民やアザラシ狩猟民から取り入れたフードになっていて、全体としてはパーカの形状をしています。また、前の合わせがトグルになっているのは私の想像ですが、あり得ないことではないと思います。
 実物の燭台になっている匈奴はもっとずんぐりした童子で、顔もいかにも新モンゴロイド風です。

ボールペン描きを取り込み、Adobe Photoshop Elements 4.0とPainter Essentials 3で調整。2007年2月。