ボルボ740奮闘歴 2004年7月〜2005年5月

 

日記よりの抜粋その他です。


2004年7月23日(金) ボルボまたもトラブル
 朝9時から定期試験の監督なので、ボルボに乗り、8時過ぎに家を出る。甲州街道松原交差点、首都高速高井戸ランプの手前あたりにさしかかったところで、ABS警告灯が点く。あまりに暑いので接触不良を起こしたものと考え、路側に車を停めてエンジンを切る。
 スターターを回したが、もうかからない。バッテリー上がりとまったく同じ症状。なぜ? バッテリーはエクサイドの高級品、まだ装着して一年なのに……と思いながらボンネットを開けて中を見ると、インジケーターは黒。つまり上がっている。
 この時点で学校へはもう行けないものと覚悟を決めて電話をし、試験監督の応援を頼む。それから三角板を設置してJAFに連絡し、待つこと40分、ようやく救援車が現われる。
 係の若者はエンジン部を見てすぐに「ベルトがたるたるだなあ」と言ってオルタネータを触ると、驚いたことにぐらぐらと動く。
 発電機を支え取り付けているボルトが折損し、それで発電機がずれ、ベルトがたるんで発電しなくなり、バッテリーの電力だけで車が動いていたのだ。それでエンジンを止めたとたんに力尽きたということらしい。
 危ないところだった。あと少しで高速に乗っていたら、もっとひどい結果になっていたかもしれない。しかも車を止めたすぐ傍らに、クラシックな緑公衆電話があって、JAFのフリーコールカードを使うこともできた。不幸中の幸い、大難を小難に切り抜けた、ゲン落としと考えよう。だからもっと感謝の心を持て、と神仏から示されたのかも知れない。
 救援車に牽かれて調布のオート・ボルタまで行く。JAFの係は親切。道もさすがによく把握しているので、余計な口出しは控える。社長にもすでに連絡しておいたので、すぐに出てきてくれて車を預ける。JAFレッカー代3千円也。
 社長、渋い顔で「こんな細いボルトでは欠陥だなあ」という。前にも1台、こうした事例があったそうだ。ともかくボルト交換、バッテリー充電しなおしということになるという。
 しばらく話し込み、それから代車を借りて出発。学校に着いたら皆心配していた。試験は何事もなく終了していたようなので、答案用紙を受けとって、ともかく一件落着。
 大切に乗るつもりだが、さすがにいろいろ考えも及ばないようなガタが出てくるものだ。


2004年7月30日(金) ボルボ治らず
 オート・ボルタの社長からボルボが治ったとの電話があり、代車を返しがてら取りに行く。
 ボンネットを開けてみると、発電機はしっかりと新しい金具に取り付けられて、ベルトも新しくなっている。
 エンジンをかけて調子を見ながら、ついでに伸縮しなくなったままのアンテナを社長が見ていたところ、排気ガスがしだいに白っぽくなり始めたのに気がつく。それとともに匂いもきつくなる。
「オイル焼けの匂いだな」と社長が言い、整備工場に電話してガレージ社長に問い合わせる。原因はターボだろうとのこと。
 そういえば、この何箇月か、エンジンを止めた直後に、「キーン」という、ちょうどブレーキのきしるような音がするようになっていた。ウォーターポンプか何かの弁の関係かと考えていたのだが、それを社長に言うと、「ターボの羽根車がゆるむかゆがむかして、それが回っているときはともかく独楽のように安定しているものの、エンジンを止めて回転が落ちていくとぐらぐらとふらつき始めてどこかに当たるのかもしれない」と言う。
 いずれにせよターボを点検しないといけない。火曜日にガレージ社長が来てくれるというので、それまで引き続き待つしかない。
 代車はつぎの予約が入っているのでもう使えないので、社長が家まで送ってくれる。
 まあ、車を受け取ってからおかしくなるよりは、ボルタにいるうちに異常が出た方が、結果としてははるかによかったわけだ。発電機のトラブルのさいも、高速に乗る直前だったわけで、なにか大きな力、神仏といってもよいが、なにかがはたらいて大事を小事に助けてくれている、と思える。
 あれが壊れると次はこれ、という連鎖反応が始まるのは大いに困る。修理費がかさむのはもっと困る。いまはこれもまた小事に終わることを祈るのみだ。


2004年8月11日(水) ボルボ戻る
 オイル焼けと思われる白煙騒ぎでガレージ入りしていたボルボ戻る。結局原因は特定されず。ターボ関連のパッキングが傷み、オイルが排気管まで回るらしい。頻繁に乗ってエンジンを回してオイルを完全燃焼させるしかないらしい。少なくとも現在のところ、白煙は出るのが治まっているようだ。結局オイル交換だけで済んだのでなんとか助かる。
 僕思うに、発電機トラブルの後、レッカー車で斜めに持ち上げて牽いたが、その振動が災いしたのか。もしくはそれで、エンジンからオイルがマフラーまで垂れて回ったのか。


2004年10月7日(木) 10万キロ突破
 おそらく10月1日の時点で、
10万キロを突破した。我が家に来たとき、すでに6万キロを越していたから、私が4万キロ弱を走らせたことになる。ほぼ1年1万キロの割合だ。車がいちばんつらくなり、トラブルも出てくる時期を、いたわりつつあれこれモディファイもしながら走らせたというわけだ。
 8月以降、目だったトラブルは出ていない。もちろん、旅行や調査もあってあまり走らせていないという側面もある。
 毎日乗ってくれ、という社長の言になかなか従えないが、エクサイドのバッテリーも(前に述べたトラブルのあおりで一度充電しなおしはしたが)タフなままだし、丈夫な車だ。
 あとは、電動アンテナマストが死んでいるのをなんとかしたい。スリック・エンジニアリングからアンテナマストが出ているようだから、いちど社長に問い合わせて見よう。その他にも魅力的なパーツがさまざま出揃ってきたし、モディファイの余地は、いまだ多々ある。
 あとは燃費をどれだけ伸ばせるかだ。オイルはやっぱり
Elfにしてみたい(済みません、社長)。


2005年5月11日(水) ハリヤーと較べる
 
現在、10万5千キロ。車検が近く、学校帰りにオート・ボルタの社長のところへ相談に行く。今のところ、「ダッシュボード照明の点きが悪い/アンテナマスト壊れたまま/リヤフェンダーコンビネーションランプ、左側の嵌め込み整形不良はなんとか治まっているが、その影響か、右側のブレーキランプが点いたり消えたりする/どこからか「キーン」という音がする」といったところか。
 アンテナマストについては、スリック・エンジニアリングの社外品はあまりうまくないらしく、同形式車からの部品取りを考えようということになった。「キーン」という音については、社長も実際にエンジンをかけてみたところその音が聞こえたということで、「エアコンの風量を調節するバタフライという部品の音だろう、あまり気にしないでもよい」という御託宣だった。どのみち古い車のことで、よほど危険でない限り、今回の車検と整備では最小限の手直しで済まそう、車自体も修理のコストの方が高くつくというような事態になるまでは、引き続き乗っていこうという相談になった。
 実は先日、妻とともにお台場のトヨタのショールームへ行って、だいぶん心が動いていた、「ハリヤー・ハイブリッド」の運転席に坐ってみたのだ。そして二人とも顔を見合わせ、異口同音に言ったのは
「今乗っているボルボの良さがあらためてわかったネエ」ということだった。広さ、視界、落ち着き、質感、どれをとっても、最新のハイテクと人間工学を盛り込んだハリヤーが、わが90年式740に及ばないとはどういうことか。
 あらためて当時のボルボの素晴らしさを見直し、愛着もわいた一幕だった。


2005年5月13日(金) エンジンオイル交換、リッツ・スーパーヒューズ交換完了
 ガソリンを入れに、稲城のエネオスに寄る。ついでに洗車も頼む。知らぬ間に無料エンジン点検をしてくれたらしく、「オイルがもう入っていません、酸化もしています」と恐ろしいことを告げる。「では行き付けの所で交換する」と答えて、すぐ隣のタイヤ館に入る。
 後で調べて判ったのだが、この間の定期点検整備以来、もう1年も換えていなかった。やはり古い車、それにターボだけに、減りも早いのかもしれない。
 早速オイル交換を頼む。このコーナーを社長も見たらしく、苦笑混じりに「半合成のエルフでしょ、整備の方も構わないと言っていますよ」と言っていたので、
「エルフ・エスプリ」というやつに、エレメントとともに交換する。やはりヨーロッパ車にはヨーロッパオイルだという、まあ気分の問題だ。
 ついでに、最後に残った、リッツ・スーパーヒューズへの交換も頼む。あと2枚を残すのみだった。全交換までに、1年以上もかけたわけだ。
 さらに、ピンポン玉の浮き方で宣伝している効率のいいエアフィルター(
K&N社製)の取り寄せも頼んで、タイヤ館を出る。
 本格的な試運転はこれからで、軽く走らせているのみだが、思いなしか加速がスムースになっているような気もする。稲城大橋有料道路の掘割で、アクセルの踏み心地とエンジン音から、まだ4、50キロかな、と思ってメーターを見たら、もう70キロを越えている。オートマチックトランスミッションのショックもほとんど感じなくなったようだ。
 これで、あとは車検を待つばかりとなった。


2005年5月19日(木) K&Nエアフィルター装着、車検に出す
 学校帰りに、まず稲城タイヤ館に寄る。月曜日に入荷連絡のあった、
K&N社製の湿式エアフィルターを装着。ただし我がボルボのエアフィルターボックスは、もう留め金を装着している部分のプラスチック製の耳が劣化していて欠けてしまい、仕方なくビニールテープで止める。
 走り出すと、やはり空気を大量に吸い込んでいるという感触がある。ガソリンがより「燃え」ている感じ。
 深大寺のオート・ボルタへ行く。ボルタは商売好調のようで、ちょうど白い240エステートを納車している所だった。エンジン部を覗いたが、ほとんどレストア済みの様子だった。240というのはスタイルも上品で風格があり、チャンスがあれば私も乗ってみたいボルボだ。この形式は、エステートの他にセダンの方も置いてあったが、こちらはスカイブルーメタリックで、ちょっとアメ車風の雰囲気もあって最高だ。だいたいボルボというのは、都心のホテルにも、郊外のホームセンターにも、高原の別荘にも、みなそれなりに雰囲気が合ってしまう、じつに不思議なキャラクターの車だ。
 ボルタの社長に車を預ける。留め金の欠けたエアフィルターボックスを見て心配そうに「大丈夫かなあ」と言う。しかし後で気がついたように「元々空気を吸い込む所なんだから(蓋と箱との間に)隙間があっても大丈夫なのか」とひとりごちる。「マア工場の方とも相談して大したことがなければこのまま行きましょう」という結論になる。
 その他、5月11日の項に書いたような諸点を紙に書き出して渡しておく。車検のさいいちばん心配なのは、やはりテールランプの接触不良で、これは是非要チェックとなった。
 車検から上がってくるのは、約一週間後とのことだ。余計な出費のないことを祈るのみ。
 まだまだ、いくらでも長持ちさせることもできそうだ。品といい押し出しといい、いまどきこれだけの車は、そうはないだろうから。

*車検後は、ページを改めるつもりです。