ボルボ240その1・購入 2006年03月

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はじめに ─ 乗るまでの経緯

 
 2001年以来、5年間乗った90年式ボルボ740ターボエステートを、今年(2006年)になって手放す決心をつけました。オリジナルのエンジンとミッション、それにサスペンションで、毎日の通勤のみならず、関ヶ原や鈴鹿を越える長距離をも何度もこなした、丈夫なクルマです。もちろん、修理も部品交換もそれなりにしました。モディファイとまで偉そうなことは言いませんが、プラグやプラグコードの交換、アーシングの施工、バッテリーとヒューズの交換などといった手も加えています。加速・トルク・燃費、いずれも素人としてそこそこ満足の行く水準に仕上がっていたとは思います。
 
 とはいえこのクルマにも、やはり特有のクセというか、持病がありました。それはもっぱらエアコンの不調で、最初はブロワーの異音から始まったのですが、どういう因果か、毎年の夏前になると、かならずエアコン関係のなにかがおかしくなるのです。その対応に、しだいに疲れてきました。
 
 そしてもうひとつ打ち明けると、この740は、前の車から乗り換えるさいに、少々無理を言って選んでもらったこともあって、かならずしも自分の意に添ったものではなかったのです。そのためなんとか自分の気に入るようあれこれと苦心をし、また自ら言い聞かせもして乗っていたのでしたが、ついに辛抱が限界を迎えたという事情もありました。
 
 それでそろそろ「乗り換えようかなあ……」という心が動きはじめ、去年(2005年)の秋には、幕張メッセの東京モーターショーへと偵察に出かけたりもしましたし、今年に入ってからは、休日になれば各社のディーラーへと足を運んで実車のハンドルを握り、カタログを貰ってきたりするようにもなっていたのでした。
 
 最初に私が興味を抱いたのは、□□社の○○と◎◎でした。しかしなにぶんにも大排気量で、それゆえか前者はむしろ女性によく好まれたりもしているのですが、妻がシートが安っぽいと言って気に入りませんでした。それから今年になって発売された◇◇社の○○は、意外なことに並み居るライバルの中に割って入ることはできなかったらしく、街ではいまだに数台しか走っている姿を見かけたことがありません。それから後には、△△社の○○もいいなと思うようになったのですが、運転席に坐ってみるとなんだかホーロー浴槽にでも入ったような具合で、もうひとつしっくりとは来ませんでした。
★これで車種が判った人はそうとう偉いです。
 
 どの車も決め手に欠けたまま、購入決断には至らなかったとき、□□社の某ディーラーが、期限を切ってではあるが、◎◎を大幅に値引きすると言い出しました。そうとう心の動く話でした。
 
 そこで私は考えあぐねて、オート・ボルタの社長に相談してみようと思ったのです。10年近い付き合いなので話を切り出し易いし、たとえ社長の所で扱うボルボにしなくとも、別に怒るような人ではありません。虚心坦懐、単刀直入に聞けば、ひとりのクルマのプロとして、必ずアドバイスをしてくれるはずです。
 
 さてその社長の助言とは、要するに、「新しい車はどれもコンピュータの塊、しかもダイレクトイグニッションとフライ・バイ・ワイヤのシステムで、何に乗ってもフィールはみな同じ、ところがその肝腎かなめのエレクトロニクス部分がよくイカレル、だからもし足代わりに使うならば、私だったらもう、国産大衆車に乗りますネ」と、いかにも旧車愛好家としての、きわめて辛口なものでした。
 
 さあどうしようかなあ、とオフィスの窓の外に目をやったとき、投げた視線の先に、
ソリッドレッド色の240ワゴンが入ったのです。
 
 240だ。窓とボディとの切り替えのところに段がついていて(最新式のV70は、明らかにこのデザインイメージを踏襲しています)、クラシカルないいスタイルだな、色もいいな……。
 
「いいクルマがあるじゃありませんか」と私が言うと、社長が説明するには、前オーナーが大切にしており、手放すにあたってありきたりの中古屋に売り渡すには忍びずに、「次のユーザーにも大事に乗ってもらいたい」と飛び込みでオート・ボルタに持ち込まれてきたということで、すでにいささか引き合いもあるそうです。
 
 そのセールストークに引かれ、オフィスの外に出て見せてもらいました。そしてフロントガラスの内側の値段表を見たそのとき、突然、頭にひらめいたのです。もしもこれに加えて、ipdなどの専門ショップから部品を取り寄せて、さまざまな部分をあらかじめ強化・レストアしておいてもらえば、どんなにかよくなったクルマが手に入ることだろうか……。
 
 速断して交渉、その場でほぼ成立です。□□社の◎◎よ、さらば。
 
 こうして私は、
91年式ボルボ240GLワゴンに乗ることにしたのでした
★ボルボの"GL"とは、ボルボの初代エンジニアであるグスタフ・ラーセンの名前の頭文字から付けたものなのだそうですね。べつに"Grand Luxuary"などといった意味ではなかったのです。いわば署名入りデザインといったところですが、とうから有名無実だったわけです。
 


オート・ボルタの店頭に展示されていた当時の状態の写真です。
これにあらかじめ、徹底的に手を入れてから乗ろう、という魂胆です。
 


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