砕 葉 城
Abbaside Saracen and Tang China


 751年、唐とアッバース朝イスラム帝国とが、中央アジア、天山山脈西北のタラス河畔で戦いました。この合戦で敗れてサラセン軍の捕虜になった中国兵のなかに製紙職人がいて、その結果製紙法が西方へと伝わったというのは、シルクロード史上、有名な話です。それはともかく、そのときの両軍のイメージを、かたや日乾レンガ風、こなた大理石風にアレンジしてみました。サラセン側は鎖帷子、唐側はいわゆる明光鎧の、仏像(天王)式にしてみました。要するに、仏像の後ろ姿を描いてみたかったというわけです。
はるか昔、20年ほど前に 0.1o 製図ペンで描いたものと思われる(もはやよく覚えていないのです)。オリジナルは高さ 8p ほどのイラストを取り込み、Adobe PhotoDeluxe で微修正と加工を施す。
※ちなみに、盛唐の詩聖李白は、このタラス河畔のオアシス、スイアブ(砕葉)城の生まれとも伝えられています。李という名字からして西方人くさいところもありますが、そんなことに拘泥しなかった大唐帝国の偉さをいまさらながら感じます。阿倍仲麻呂の友人でもあったし。