文鳥アルバム・水浴び

 

 水浴びの時間です。しぶきが飛んでたいへんなのですが、可愛らしい仕草やありさまは、見ている人間にとっても楽しいものです。

 
わが家の文鳥は不精なのか、三日に一度くらいしか水浴びをしません。それでも水浴びがしたくなると、飲み水入れに頭を突っ込んでガッ、ガッとデモンストレーションをはじめます。
 そこで小判を持ち出し、新聞紙を敷いて支度をすると、もう大騒ぎです。籠の縦桟に飛びついて「ギャッ、ギャッ」と注意喚起の呼び声を上げます。「早く、早く」と訴えているわけです。

 

 この写真で水浴びしているのは、シロの方です。はしこくてなんでも自分が先でないと気が済まないクロは、シロが先に入ると、もう機嫌を損じて入りません。そのくせ体の大きさと力ではかなわないので、どうしても不利になります。
 それでまずクロを先に籠から出して水浴びさせます。飽きっぽくて気短なので、まさに「カラスの行水」ですが、それを待っているシロにしてみたら、気が気ではありません。
 自分がもう水浴びさせてもらえないのではないかとそればかり不安になって、必死の形相で、籠の桟に向って何度も体当たりするように飛びつきます。

 

 やっと行水を遣うことができて一安心。

 水浴びするときは、最初に小判の縁にとまって、伝うように回りながらときどき水に顔をつけ、様子を何回か見ます。それからぽちゃっと入ります。
 シロは長風呂で、入念に体を洗います。途中で水を足してやると、なお喜びます。気候の暑いときだと、水の中にしばらく浸かって落ちついたりします。まるで人間のようです。手拭でも持てばいいのに。

 

 一方、すでに行水を済ませたクロは、ひと足お先に壁際の電気スタンドの傘の上で毛繕いです。
 背景は、パリのクリュニー修道院で、もう四半世紀以前に買った、複製のタペスリーです。
 刺繍された犬が、角度の関係から、ちょうどさも呆れて見上げているように見えるのも、面白い感じです。

 

 水浴びも済んでさっぱりしたところで、これも掃除の済んだ籠の中に戻って、あらためて毛繕いの仕上げです。

なお最近は、自然に秩序が決まっているらしく、2羽一緒に出しても適当に行水しているようです(´_ゝ`)プッ