マルコマンニ族の若者

Chief ' s Young Noble Guard, Marcomanni or Quadi Tribe,
Near Pannonia Province, 4th Century

 

●マルコマンニ族とクアディ族はゲルマン人で、ローマ人には紀元前後から知られていましたが、マルクス・アウレリウス皇帝によるパンノニア戦争後は、現在の中欧、ハンガリーの領域に居住していました。
●その頃に、たぶん東方的遊牧文化を持つサルマート人の影響を受けたと思われます。
●その後、フン族の西方侵入に押されたゲルマン民族大移動の波の中で、しだいに独自性を失っていったのでしょう。
●この貴族の若者は、首長の親衛隊として、なにかの宗教儀式の場に参列しています。かれの晴れ着は完全な騎馬民族風で、髪は片みづら(美豆良)に結っています。これは、実際に発掘された遺骸の髪形に基くものです。
●全般に、埴輪などに見られる古墳時代の日本の風俗に酷似しているのは、ユーラシア全体にわたる北方民族南下というこの時代相からしても、当然のことと考えられます。

ボールペン画、ペインターで彩色、Adobe PhotoDeluxe で調整。