竹富島のミルク神

 沖縄の最南端、八重山群島には、「ミルク」という神の信仰があります。常世の国から祖霊が福をもたらすという土着信仰と、南中国〜ベトナムより伝わった未来仏「弥勒」の信仰とが混合したもので、そのためこの神は、弥勒とはいえ、中国で弥勒の化身とされた「布袋和尚」の姿をしています。
 八重山の各島は同時に「シマ」(独立したコミュニティ)でもあり、それぞれ特色のあるミルクを持っていますが、一般的には頭巾、黄色い着物(法衣)、赤白黒三色の彩色をした杖、日月のついた団扇といった出で立ちをして、豊年祭ともなると、侍童を従えて海から上がってくるのです。侍童が転ばないかと気を遣い、いつも左右を振り返りながらゆっくり歩きます。子供を祝福してくれる神なので、ときに女性とみなされる場合もあるようですが、ともかく「ホトケサマ」です。
 ここに示したのは竹富島のミルク面で、私きぬのみちがハワイでミルクに扮してパレードをしたさいに、作って被ったもののモデルです。ネットで拾った写真を見ながら筆ペンでスケッチをして作成見本にしたものをスキャナーで取り込み、Adobe Photoshop Elements 4.0で彩色・調整しました。