++浅薄日記++


2005年2月の日記


2005年2月3日(木) 節分、偽造500円硬貨事件
☆節分
 夜、ささやかながらベランダに豆まき。翌日、スズメが食ってくれるだろう。

☆偽造500円硬貨事件
 これもまた中国マフィアと日本暴力団の組んだ事件だろう。
 しかし、貨幣の私鋳がはじまり、それが流通し始めるというのは、歴史の勉強の上では、都市文明の衰退を学ぶときに、かならず言及される現象なのだが。
No.214


2005年2月5日(土) 500円偽造硬貨雑感、「ゾロアスター」描く
☆500円偽造硬貨雑感
 国家なぞ、いまや日なたのキノコのようなものだろう。あるいは春の日の雪のようなものだろう。こんな形で、叩き割らなくとも溶けて無くなってしまおうとしている。
 尤も、それではガマンできん、という人たちも相変わらず数多いことだろう。「国家とは打倒すべき対象である」という規定、およびそこから導き出されるあらゆるドグマにしがみついていたい人たちは。

☆「ゾロアスター」描く
 歴史画コーナーに、「ゾロアスター」をアップした。
 言うまでもなく、ゾロアスター教の開祖ザラスシュトラだ。P.R.ハーツ著、奥西峻介訳『ゾロアスター教』(青土社)を読んで、すぐに描きたくなった。
 入試作業の打ち合わせ直前の、わずかな合間にイメージを得て描いた。
 背景はシルクロードのステップ、教祖はパルティア服の上に、さらにソグド風の上衣を纏っている。背後の空には、コロナを噴き出す有翼日輪が浮かぶ。
 だから光の当たり方からすればシルエットになるはずだが、そこは開祖だから。
 そんなわけで、あんまり図像儀軌には則っていない。
 それでも一応、さまざまにサイトを検索したことはした。ずいぶん勉強になった。それに前田耕作先生の著作を読まなければなにも分からないということも分かった。
 なにせ、ユダヤ教、ミトラス教、キリスト教、仏教の母だ。グノーシスの源流でもある。マニ教も生んだ。
 グノーシスについても、恐れを覚えるようなサイトもある。
 まあグノーシスは、自我とか自己とか、つまり自分の存在の根元に最も触れてくるものだから、恐ろしくなるのも無理からぬところだ。
No.215


2005年2月21日(月) 「新選組! メモリアル・コーナー」リニューアル
☆「新選組! メモリアル・コーナー」リニューアル
 リニューアルといっても大げさなものではない。「雑文1〜5」にいくつかの補足訂正を加え、形式を大略統一した。MSFPEはhtmlファイルを勝手に書き換えてしまう癖があるらしく、WZエディタで直接タグ打ちをする。しかし、ヤツに気づかれずにタグを残しておくことも出来そうなのだ。
 それにしてもCGIとかperlとか、魔法の呪文のように思われるのだが、それが魔法の呪文でないところまで達した「素人」の人たちが大勢いて、すばらしいプログラムを多数公開しているのだから頭が下がる。この「壁」を登って越えるか越えないか、というところに人間の違いが現われると思う。
No.217


2005年2月22日(火) 季節の切り替わり、NHK「新シルクロード 第二集」
☆季節の切り替わり
 日記がまったく途絶えた言い訳。行き付けの鍼の先生が、「二月は体の切り替わりの時期だし、この低気圧では参ってしまって当然だ」と言う。動物の冬眠というのは人間の鬱病と同じ生理状態なのだと読んだことがあるが、きっと冬眠したまま死んでしまったというような動物だって数多いことだろうから、人間も大いに気をつけないとならない。
 人間は、社会的にはカエサルのもの、身体的には宇宙のもの、精神的には神のもの、ということか。昔、国電高田馬場駅近くの天理教会に、「身の内は神の借り物貸し物、心一つ我がの理」という看板が出ていたが、微妙に違うようだが、本質は同じことを言っている、と思う。

☆NHK「新シルクロード 第二集」
 NHK「新シルクロード 第二集」。欧日探検隊にすっかり壁画を剥ぎ取られたトルファン・ベゼクリク千仏洞内陣を、世界各国に分散している資料から電子的に3DCG復元するストーリー。
「この素晴らしい文化遺産を、迷信深い地元民に目を潰されたり、農民の肥料にされたりしたまま放置するのは犯罪だ、だから救済のため壁画を持って行く」というドイツ探検家ル・コックの手記を引用するあたり、ずいぶん時代も変わったなと思う。昔なら、「帝国主義者の略奪」という断罪でお仕舞だから。近々では、メトロポリタン美術館が、バーミヤーンの大仏をまるまる買い取ろうとタリバーンに申し出たという報道もあった。それも「資本主義者の略奪」と呼ぶのだろうか。
 文化遺産保護の問題についてはこれ以上触れないが、ある意味、現代の我々は3DCGで、寺院建立当時のままに目の当たりにできるという点では、あるいはル・コックよりも恵まれているかもしれない。現地の臨場感と、バーチャル臨場感とを、ともに味わえるようになったわけだから。それについては、われわれは電子技術に感謝しなければならない。元来の戦争技術をこうして平和に転用して、そちらで圧倒してしまおうではないか。
 それはともかくとして、復元された3DCGによる内陣を観て思ったこと。
 これは石窟だから、ドアを開けて入り、ドアを閉じれば、その中はもう、墨を流したような暗黒空間だ。温度湿度も一定で、アイソレーションタンク同様だろう。時間・空間の定位がぼやけ、自我が融解する。いいかえればそこは、生まれる前、あるいは死後の世界が現出するための、最高の舞台装置となる。つまりそれは、善光寺はじめ各地の「胎内巡り」と同様だ。たとえは悪いが、死と再生の体験を通して精神の変革を意図したテーマパークなのだ。
 その漆黒空間を何の手がかりもなくさまよい進むとともに、灯明のわずかな炎に照らされ揺らめいて、ところどころほのかに、そして急に眼前に浮かび上がってくる極彩色の仏国土。
 他にさしたる楽しみもなく、待ち焦がれた「年に一度の御開帳」かなにかのときに、これでお香(あえてクスリと言おうか)の煙でも吸いながら拝観したら、いったい古代人の心理状態は、どのようなものになると思うだろうか。

 観光旅行とは、まるで違うのだ。
 
No.216


2005年2月23日(水) ライブドア対ニッポン放送、偽一万円札事件、皇太子誕生日
☆ライブドア対ニッポン放送
「オールナイト・ニッポン」の亀渕昭信さんにこんな所でお目にかかるとは思わなかった。年が知れるが。
 表に出ずに戦後日本を動かしてきた、しかしそれはそれなりに日本を安定させてきたシステムや構造が白日のもとにさらされる、そうした時代風潮が来たのだろうか。べつに堀江社長個人のパフォーマンスということではなしに。

☆偽一万円札事件
 初詣の縁日で使われたということはつまり、やくざがテキヤを食い物にしたということか。仁義にもとるのではないか。

☆皇太子誕生日
「非難された子供は人を非難することを覚える」か。皇太子は同じ世代よりひとつ歳下くらいの世代感覚なのだが、この世代の人もやっぱり悲鳴か。
No.218




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